各種分娩について

画像:分娩室

リラックス分娩

当院では、お母さん方にリラックスしてお産をしていただくためにLDR室をご用意しております。
このLDR室は、〔Duett〕(デュエット)となづけましたが、デュエットとはラテン語で、汝、ともに語ろう、ともに謳おうという意味です。
この部屋で、新しい生命の誕生を祝い、お母さん、お父さん、ご兄弟、そして、ご家族の方々に、産まれたてのあかちゃんと対面し、語っていただきたいという思いをこめました。

陣痛が強くなりますと、個室からLDR室に移動していただきます。室内では、ディスプレイでテレビ番組を視聴することもできますし、また、ディスプレイ画像、室内照明と連動した各種のリラックス音楽を聴くことができます。
この当院オリジナルのLDR室(デュエット)でリラックスしてお過ごしください。

なるだけ、全身の力をぬいて、ゆっくりと呼吸をし、あかちゃんにたくさんの酸素がいくようにしてあげてください。とくに、下半身に力がはいると、子宮口は開きにくく、あかちゃんも下がりにくくなります。おかあさんも、あかちゃんといっしょにリラックスしましょう。

さて、お産が進行し、ますます陣痛が強くなり、どうしても力がはいってしまうというときになれば、今度は、ラマーズ法による呼吸法をためしてみてください。
ただし、このときも全身の力は抜いておくことが大切です。さあ、そして、子宮口が全開大になり、あかちゃんのあたまも下がってきたあとは、陣痛のときに、少しきばってみてください。あせる必要はありま せん。充分、呼吸を整えてからで結構です。

そして、陣痛がおさまっているときには、どうぞ、リラックスして、ゆっくりと深呼吸をして、あかちゃんに酸素をあげてくださいね。
子宮口が全開してからあかちゃんと会えるまで、さほど時間はかからないと思いますよ。

基本的には、自然に陣痛がきてスムーズにお産がすすむ、自然分娩を理想としています。
しかし、陣痛が弱くて、あかちゃんが下りてこない、陣痛が始まって何時間も経過しているのにお産がすすまない、などというときは、ご相談のうえ、陣痛を少し強くするお薬の投与(当然、分娩監視装置でモニターの上です)など、医学的処置を加えさせていただくこともあるかとおもいます。

お産に時間がかかりすぎるということは、お母さんへの肉体的・精神的負担も極限に達しますし、それと同時にあかちゃんへのストレスもままならないものがあります。
できるかぎり、負担の少ないお産を目指しましょう。

画像:誘発分娩

誘発分娩

出産予定日をかなり過ぎてしまったのにお産の兆候がない
骨盤が広い方ではないのに、赤ちゃんが大きくなりすぎて難産になるのではないか?
などの場合には、可能であれば誘発分娩を行っています。出産を予定した前の日に入院していただき、子宮口を開く処置を行い、自然に陣痛が来れば良いですし、来なければ翌日より陣痛を起こすお薬を使用します。それ以外の経過は、リラックス分娩と同じです。

画像:無痛分娩

無痛分娩

2015年からの実績

無痛分娩2015年からの実績
当院無痛分娩に関する詳細

お産の痛みやそれに伴うストレスは多くの場合呼吸法やリラックス法で軽くすることができると考えられていますが、分娩にたいする不安や恐怖心の強い方や痛みに対してストレスを強く感じる方では、ストレスや不安から分娩の進行が遅れることがあり、お母さんや赤ちゃんに悪影響を及ぼすことがあります。
痛みを適切に取り除き、安全なお産を目指すのが無痛分娩という方法です。
出産に伴う子宮の収縮(陣痛)や産道の広がりによる痛みは、背中の脊髄という神経を通って脳に伝えられます。無痛分娩とは、脊髄の近くに麻酔薬を少量ずつ注入することで出産の痛みを和らげる方法です。無痛分娩を始めると痛みは和らぎますが、完全に痛みがなくなるわけではなく、子宮収縮に伴う軽い陣痛は感じます。
そのため、一般的には和痛分娩や疼痛緩和分娩という名前の方が正確なのかもしれません。

無痛分娩の方法

当院では硬膜外麻酔による無痛分娩を実施しています。硬膜外麻酔単独での無痛分娩は、無痛分娩の標準的な方法として長い歴史があります。脊椎の中の硬膜外腔というスペースに細い管(硬膜外カテーテル)を挿入し、そこから局所麻酔薬を注入する方法です。
自然陣痛が始まって子宮口が5cm(子宮口の全開大は10cm)ぐらい開いたら、無痛分娩を開始します。麻酔をあまり早くから始めると、胎児が回旋異常をおこしたり、その後の分娩の進行が遅れるとの論文があるからです。
子宮口が5cmぐらい開いたら、硬膜外カテーテルを腰からいれます。安全を第一に考え、救急蘇生体制の整った手術室で行います。カテーテルを入れる間、妊婦さんはベッド上で横になり背中を丸めた姿勢になって、背骨の間を広くして針を入れやすくしていただきます。背中の皮膚に局所麻酔薬を注射してから、硬膜外針といわれる特殊な針を硬膜外腔まで進めます。処置中に痛みがあれば、皮膚麻酔の注射を追加しますのでお教えください。もし、カテーテルを入れる途中で足や腰に電気がはしったような感覚があれば、カテーテルの向きを修正します。通常処理は5分ほどで終了しますが、体のむくみや背骨の状態によっては時間がかかったり、まれですが、カテーテルがはいらない場合もあり、その場合は無痛分娩はできません。
麻酔薬注入後約10~15分くらいしてから麻酔は効き始めます。また、麻酔薬注入後に陣痛が弱くなってしまうことがあり、この場合は陣痛促進剤を使用することがあります。

無痛分娩のメリット

日本では痛みに耐えてお産をすることによって子供への愛情が深くなるという考え方も残っています。しかし、海外では分娩の痛みを抑えることにより、産まれてくる子供を慈しみながら分娩に臨むことで子供への愛情がより深まるとも言われています。無痛分娩では、痛みのせいで取り乱すことなく落ち着いて分娩ができることがメリットです。
また、無痛分娩では分娩中の体力を温存することが可能です。分娩中の一回一回の陣痛はこらえることができても、それを何万回と繰り返すうちに次第に体力を消耗して、赤ちゃんが生まれるころには疲労困應してしまったり、最後まで頑張れなくなってしまったりするお母さんもいらっしゃいます。無痛分娩では体力を温存しながら分娩することが可能ですので、特に高齢の方では大きなメリットです。

無痛分娩が赤ちゃんに与える影響

最近の局所麻酔薬による無痛分娩では、使用する麻酔薬の量が非常に少ないので、これらの薬剤が胎盤を通過して赤ちゃんに移行し、赤ちゃんになんらかの影響を与える心配はほとんどありません。もちろん無痛分娩によってお母さんの血圧が下がったりした場合には、赤ちゃんの血圧も下がりますが、お母さんの血圧が下がらないように注意して管理すれば、無痛分娩によって赤ちゃんの状態が悪くなることはありません。

無痛分娩のリスク

1)血圧低下:この麻酔の影響で、血圧が下がったり、脈拍が減少することがあります。場合によっては輸液をしたり、薬剤を投与して対応します。
2)頭痛:局所麻酔の影響で分娩後に頭痛を起こす可能性が1%あります。原因の一つとして、硬膜外腔の内側にある硬膜を穿刺することで起こると思われます(脊髄漏)。ほとんどの場合1週間以内に自然によくなります。
3)発熱:硬膜外麻酔の影響で38度以上の発熱を起こすことが10%程度あります。赤ちゃんに対する影響はありません。
4)局所麻酔中毒の症状:局所麻酔薬の血液中の濃度が上昇して起こる全身的合併症です。また、カテーテルが血管内に迷入することで局所麻酔薬が直接注入されることでも起きます。初期の症状としては、舌のしびれ、興奮、血圧上昇、過呼吸、痙攣があります。この血液中の濃度がさらに上昇すると、意識がなくなり呼吸停止、循環の抑制が起こります。その場合は直ちに心肺状態の改善に対応します。
5)排尿障害:無痛分娩に伴って一時的に排尿障害がおこることがありますが、症状が退院まで持続することは非常にまれです。
6)神経障害など:麻酔の針による穿刺部の疼痛があります。さらに、神経の分布に沿った痛み、感覚の麻痺などの神経根症状があります。また硬膜外腔に血液が貯留した状態(血腫)や膿が貯留した状態(膿瘍)が起こることがあります。分娩後に、足や背中の一部にしびれが残ったり、感覚が鈍ったり、痛みが残ったりすることがありますが、まれと思われます。
7)硬膜穿通やカテーテルが誤ってくも膜下腔に留置されたときなどは、麻酔が広範囲におよび、徐脈、低血圧、呼吸停止などを起こすおそれがありますが、カテーテルの留置位置を確認することや少量の麻酔薬を試験投与することによって防ぐことができます。
8)局所麻酔薬によるアレルギー反応など

私たちは安全に行えば硬膜外麻酔無痛分娩はお母さんにとってもあかちゃんにとってもメリットのある、とても良い分娩法だと思っています。

画像:帝王切開

帝王切開

経膣的にお産が不可能な時
分娩中にお母さんや赤ちゃんの状態が非常に悪くなった時
分娩が停止して進まなくなった時などには、お腹を切って子宮を切開し、赤ちゃんを取り出す手術をします。
これが帝王切開術です。
どうしても必要な時にはしなければならない手術ですので、万が一の時には、医師の説明を良く聞いて決定してください。一度、帝王切開術をした場合は、次の分娩からも帝王切開術になる可能性が高くなります。それは、分娩時、陣痛の子宮収縮により前回の帝王切開術の時の子宮の傷が破れることがあるからです。
この合併症は、頻度は低いのですが、起こった時には母子ともに危険な状態になります。
このような理由から、前回帝王切開術で分娩されたお母さんはは、次の分娩も帝王切開術で、と決めている施設が多いのです。

画像:夫立会い分娩

夫立会い分娩

もし、ご夫婦で話し合って、お産の時にご主人も立ち会いたいというということであれば、それも可能です。
陣痛室へ一緒に入っていただき、お母さんを励ましてあげてください。
「さあ、いよいよお産です!」という時には、服を着替えていただき、分娩室の方へどうぞ。すばらしい生命の誕生の瞬間をご夫婦で味わってください。
なお、ご希望の方は、あらかじめお申し出ください。

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